キネマ館で行われた、宮崎県自閉症協会主催の映画・トークセッション「そらくんとたからくん」に行ってきました。
自閉症の兄弟、そらくんとたからくんの日常を記録した映画です。
ご家族のこれまでの苦労は簡単に想像できるものではないと思いますが、そらくんとたからくんのそれぞれの時間がしっかりそこにある日常に、ほっこりして引き込まれていきました。
自分のしたいこと「今」に集中して行動する様子、自分の中から湧いてくる理由に忠実に動いていく様子に色々なことを考えさせられました。
常識的な感覚に囚われている者には見えない世界を感じて生きていることが伝わってきて、自分の視野の狭さに気が付かせてくれるのです。
兄弟を見守るお母さんの柔らかな様子を見ていると、二人に教えてもらったことをしっかり受け取りながら生きてこられたんだなと思わされます。
映画の後半、そらくんご本人が映画館を走り回って、ライトを付けたり消したりしたりして、それでも淡々と上映会は続いていきました。
元々こんなふうに成り立つ社会もあったんじゃないのかな…当たり前のように『当たり前』で固めた狭い世界では気付けるはずのことも排除されていくんだろうな…。
映画の最後まで考えを巡らせました。
そらくんとたからくんのお母さんは、「いる」ことが意味を成すと繰り返しおっしゃっていましたが、それをリアルで体験させてもらったようでした。
また、映画の中でお母さんが、
『自分の中の当たり前を見直す』『将来のことをあれこれ考えるのではなく、今を生きる』とおっしゃっています。
私も子供が不登校中に痛感させられたことでもあり、強く共感しました。
映画の中での二人の笑顔が素敵だったのですが、トークセッションで実際に出て来られたら、映画よりもニコニコしていて会場がいい空気に包まれました。
お母さんが安心感を与えてこられたんだなと、見てしっかり分かるような様子にエネルギーをもらって帰りました。
自分が『知らない』ということを知る機会は本当に大事だと改めて教えてもらいました。